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ケーブル・コネクタの認証要点を把握しよう
2014 2014-04-30

ケーブル・コネクタは高周波信号、機械特性、電気特性と使用環境の変化などの要因によってその性能が左右されます。ケーブル・コネクタの開発メーカーはこうした環境の変化を考慮した包括的な検証を実施することで、製品の品質条件を満たし、機能のニーズを100%発揮することができることでしょう。今回のレポートでは、アリオンの専門家によるUSBケーブル認証の注意点をご紹介いたします。また、最新規格のSAS4.0PCI-Expressに関する最新のインターフェースであるOCuLinkと、高速伝送と長距離化を可能にする光変換ケーブルであるアクティブ光ケーブル(AOC: Active Optical Cable)に関する情報の概略についてもご紹介いたします。この他、電気特性検証(Electrical Test)、メカニカル特性検証(Mechanical Test)、耐環境性検証(Environmental Test) に必要とされる設備と試験内容の基本的な部分もご紹介いたします。

 

USB 2.0 & 3.0認証試験紹介

USB協会(USB-IF)の定めた基準では、USB2.0ケーブル・コネクタの試験フローは8つの試験グループに分かれています。試験グループはケーブル・コネクタの持つ性質に準じて区別されており、各グループでは電気特性、メカニカル特性および耐環境性の検証項目がそれぞれ定められています。DUTDevice Under Test: 被試験機器)は数十時間から、項目によっては数百時間にも及ぶ試験を受けることになります。USB2.0のコネクタ側の試験内容には加速寿命試験、過酷環境試験、熱環境試験と湿度試験が含まれますが、ケーブル側はこうした耐環境性検証を受ける必要がないため、全体の試験時間はコネクタと比較して短時間で済みます。

USB 3.0はSuper Speed USBとも呼ばれており、最高で5GbpsのSuper Speedモードに対応しています。このため、試験項目はUSB2.0よりも全体的に多くなりますが、ケーブル側に関しては耐環境性試験を受けなくてもよいので、試験時間はコネクタ側より短いものとなります。認証されるコネクタついてはUSB協会は規定を厳しく定めており、協会規定の仕様に則って作られたコネクタだけがUSBコネクタとして協会からの認証を受けることができます。また、USB協会が認定したケーブルタイプの製品だけが試験を申請することができ、Test IDTID)を取得することができます。しかし、開発メーカーが作成した製品が標準スペックから外れた製品であった場合でも、アリオンのカスタマーサービスチームはUSB協会側と協議を行い、製品に認証を取得できるよう努めます。

協会の定めた規定によれば、試験グループにある試験のうちいずれかがFailとなった場合、そのグループ全ての試験項目を再度実施する必要があります。納期と費用の両面に対するコストが増えるため、開発者にとっては問題点をどうやって発見するかが重要な課題となります。

 

新ケーブル・コネクタ規格概要

·          USB 3.1

USB 3.1USB 3.0の次の規格であり、10Gbpsの高速転送とUSB 2.03.0の両方に対応しています。EMI(電磁妨害)とRFI(無線周波妨害)の問題を解決するため、コネクタの上部と下部に両面に合計4つの接地スプリングが加えられています。

1USB 3.0USB 3.1のケーブルスペック比較

上記の表1USB 3.0USB 3.1のスペック比較表です。上記表のとおり、USB3.0USB3.1のケーブルは特性インピーダンス測定と挿入損失評価において差異があり、USB3.1の方が厳しく設定されています。これはケーブル部分のみならず、関連アクセサリおよびコネクタの試験基準についても同様に3.1の方が厳しくなっています。

·          USB Type C

Apple社のLightning ケーブルが表裏関係なく使用できるのと同様、USB協会も表裏関係なく使用可能なType Cコネクタを開発しています。この寸法はUSB 2.0 Micro Bと類似しており、高いワット数の給電機能を搭載する計画も進められています。Type Cレセプタクルは全機能が動作するバージョンとUSB2.0のみ動作するバージョンの2種類あり、全機能バージョンは片面12pin、両面24pinの設計です。2.0バージョンはここからSuper Speed Pairsを外したものです。一方で、Type Cプラグは全機能バージョンしか存在せず、搭載されたケーブルによって全機能バージョンと2.0バージョンとを区別しています。USB Type Cコネクタは将来的な携帯機器の充電インターフェースとなることが予想されており、現在Lightningインターフェースを採用しているApple社でさえ、2016年にはType Cインターフェースを採用する可能性があります。特にEUが携帯電話の充電インターフェースを統一することを発表して以来、Type Cへの期待が高まっています。現在のところ、協会はType Cコネクタに対して認証等は何も定めていませんが、Type C – USB3.1 Standard Type-Aコネクタ、Type C – USB 2.0 Micro Bコネクタに対しては、協会の働きかけにより認証取得が必須となるであろうと考えられています。

図1:(左)Type C – USB 2.0 Micro Bコネクタ (右)Type C – USB 3.1 Standard Aコネクタ

·          SAS 4.0

SASSerial Attached SCSI)は、2016年に4.0へとバージョンアップされることにより、現行速度の二倍、24Gbpsとなることが予測されています。インターフェースもバージョンアップし、4ペアから8ペアの接続へと更新されます。周波数特性が変更となるほか、本来持っているインターフェースの特性と環境特性はSAS3.0と変わりありません。協会は2016年までに正式な詳細スペックを発表する予定です。

·          OCuLink

PCI-SIGが定義したOCuLink規格は、PCIe Gen38GbpsPCIe Gen416Gbpsをサポートしており、光ファイバーケーブルと銅線ケーブルの両方に対応しています。また、内部利用と外部利用の両方に使用することができます。PCI-SIGOCuLink普及について、PCIeインターフェースを搭載したSSD等で利用されることを期待しています。

·         アクティブ光ケーブル (Active Optical Cable、AOC)

次世代のケーブル・コネクタと称されているAOCでは、銅線にあった長さに関する制限問題を、光ケーブルの持つ特性によって克服できます。AOCの性能はケーブルの長さに影響されません。たとえば、200MHDMI光ケーブルと1MHDMI光ケーブルの性能は同一です。問題は光ケーブルのコストは銅線より高いことですが、ケーブルそのものが高いのではなく、両端の端子とICが高コストとなる原因です。

2:銅線と光ケーブル 長さの比較

下記表3のアイ・ダイアグラム分析をご覧下さい。銅線(Active Copper Cable)はケーブルの長さによって信号伝送に衰退が見られますが、光ケーブルには20Mでも100Mでもその性能に変化が見られません。このように光ケーブルは長距離伝送に対応できるため、今後各協会はは長さのあるケーブルについては銅線に代わって使用されることを見込んでいます。ですが、現在の光ケーブル技術では屈曲対応などの問題から室内に配置するには柔軟性が低いため、室内での利用については銅線ケーブルが引き続き利用されると予想されています。このため、両者は市場に併存することとなります。

3:銅線と光ケーブルのアイ・ダイアグラム比較

 

ケーブル・コネクタの検証について

ケーブル・コネクタの品質保証について、アリオンの検証チームは下記の試験項目の実施を推薦しています。

·         電気特性検証(高周波信号試験を含む)

·         メカニカル特性検証

·         耐環境性検証

·         ロゴ認証試験及び互換性検証

·         シナリオ試験

耐環境性検証を例とすると、一つの製品の性能と安定性、全体の品質は多くの環境的要素によって左右されます。環境的要素とは、温度、湿度、高度、衝撃、振動などを指します。多くのメーカーにとって、条件の異なる環境下における製品性能を正確に把握することはたいへん難しい課題です。製品が実際に遭遇するであろう環境をシミュレーションして問題点とリスクを確認するためには、それに関する知識を持った専門ラボによるサポートが必要です。

五つの重要試験項目の中で「シナリオ試験」は他の試験項目を統合したような混合型の試験です。実際に使用される環境は複雑で過酷なものです。メーカーの製品品質を実環境下でも耐えうるものとするため、アリオンはいくつかのシナリオを設計しています。各シナリオは実環境をシミュレーションし、電気試験、メカニカル試験、そして耐環境性試験を行います。海や山でも利用される自動車は、一般消費材より極端な環境に接する機会が多い製品です。自動車の内部で採用されるケーブルは振動、衝撃、熱環境など一連の試験を受ける必要があります。こうした試験を受けることにより、過酷な環境下で製品が使用された場合にパフォーマンスを維持できるかどうかがを確認できるようになります。また、製品の問題を事前に確認することにより、問題発生時に必要な高い回収コストと顧客からの苦情問題を回避することができることでしょう。

2:シナリオ試験自動車の実使用環境

ケーブルとコネクタはそれぞれ異なる特性を持っていますので、これらをそれぞれ確認するためには機能の整ったハイエンドな設備環境(保持力試験機、挿入抜去試験機、振動試験機、X線撮影機、ガス腐蝕試験機、高温恒湿槽、衝撃試験機、プレッシャークッカー試験機、塩水噴霧器、等)が必要となります。これらを利用して検証を実施することで、効率よく製品の品質を向上させることができます。

4:ケーブル・コネクタに利用される試験機一覧

アリオンのケーブル・コネクタ検証センターはUSB-IFに正式承認された試験ラボであり、USB2.0USB3.0そしてUSB3.1規格のケーブル・コネクタの検証を提供しております。また、USBHDMIDisplayPortMHLSATAなど各種インターフェースに対して、高周波信号、機械特性、電気特性および環境変化に関する試験を各種個別で実施することが可能です。また、USBに加えてHDMIDisplayPortMHLインターフェースにつきましては、アリオンで認証取得が可能となっております。

ケーブル・コネクタ検証に関する更なる情報につきましては、以下のお問い合わせ先よりご連絡いただけますと、内容によって適切な担当者から回答させていただきます。ご興味あるお客様はお気軽にお問合せ下さい。

 

お問い合わせ先

アリオン株式会社 問い合わせ窓口

MAIL: service@allion.co.jp

 

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