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Embedded World 2016 注目のIoT技術、その課題はセキュリティにあり
2016 2016-03-03

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アリオンは2016年2月23日(水)~25日(金)の3日間にわたってドイツ ニュルンベルグで開催された「Embedded World 2016」に参加しました。「Embedded World 2016」は、900を超える出展企業数を誇る、世界最大級の組込み開発技術のための総合展示会です。ハードウェア(コンポーネント、モジュール、システム等)、ソフトウェア(OS、アプリケーション等)に関する最新の組込み開発技術が一同に展示されます。

M2M(Machine to Machine)は組込み開発技術におけるキーワードであり、IoT(Internet of things: モノのインターネット)と共に将来的な発展が大いに見込まれている分野です。本年度はM2M、そしてWireless M2Mという分野において、遠隔メンテナンスと追跡、e-Payment、e-Mobility、設備関連に対する技術革新がありました。特に、最新の無線モジュールを利用した技術が多数確認されています。また、Rutronik EMBEDDEDといった、長期間の利用を前提とした耐久性あるストレージ・ソリューションを提供するメーカーも出展しており、様々な企業がIoT技術の発展に着目している様子でした。

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写真提供: Allion Labs

IoT技術の発展にともない、組込み開発技術の分野についても同様に発展が進んでいます。この分野では、IoTに対応した組込み機器、無線機器、IoTコンテンツ設計と、それに関連する試験サービスといった点で技術革新が見られます。

アリオンは実際に現地で出展企業を観察したところ、主要なIoT企業はIntelとNXPセミコンダクターズ、シノプシス、UbiquiOSといった企業であり、こうした企業は工業用IoT設備およびソフトウェア開発に力を注いでいるようでした。今回、アリオンはIoT/組込み機器関連の試験ソリューションを提供できるよう、展示ブース内にて最新のIoT/無線試験ソリューションを展示し、現地にてコンサルティングサービスを展開しました。

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インテル、NXPセミコンダクターズ、シノプシス、UbiquiOSによる最新の組み込み技術の展示

(写真提供: Embedded World 2016、UbiquiOS、Allion Labs)

2016年のEmbedded Worldでは、新たにセキュリティに関する展示エリアが新設されました。主な展示物は、ソフトウェアとハードウェアのセキュリティとプライバシー保護です。組込みセキュリティゾーン、組込みソフトウェア保護ゾーン、組込みシステムモニタリングゾーンといったエリアがありました。セキュリティ関連については、IoT関連の機器が増加するに従ってサイバー攻撃の数量も右肩上がりで増加しており、その被害規模は拡大しつつある背景があることから、多くの企業が関心を示している議題です。セキュリティソフトウェア企業であるカスペルスキー社のCEOであるユージン・カスペルスキー氏が、インターネットセキュリティに関する講演会を実施しました。氏曰く、インターネットに繋がる設備が2020年には50億機種に達すると予測しており、すべての製品がサイバー攻撃の対象となる可能性を示唆しました。IoT製品を作る企業にとっては、製品の設計によってサイバー攻撃に対してどのように対処するか左右されることから、氏によるセキュリティに関する講演は大きな注目を集めました。

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セキュリティについて講演するユージン・カスペルスキー氏 (写真提供: Embedded World 2016)

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今年、企業が最も重視する課題は組込みシステムのセキュリティでした (写真提供: Allion Labs)

本年度のテーマである“Safe for the Future”に応えるために、出展企業はセキュリティ技術製品を数多く展示しました。例えば、HCC Embedded社はデータストレージの保護技術を展示し、全面的なセキュリティ・ソリューションとしてEmbedded IPv4/IPv6を発表しました。このIPSecモジュールは、インターネットスタックのセキュリティも強化できます。また、Green Hills Software社は会場でIoTセキュリティ・ソリューションを展示しました。次世代アプリケーションプロセッサであるi.MX7をプラットフォームとしたToradex’ Colibri iMX7 SOMは、工業用のハードウェアプラットフォームを利用してシステム運用できます。

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Grenn Hill社がToradex’ Colibri iMX7 SOMに採用した初のi.MX 7プラットフォーム (写真提供: Green Hills)

展示会には数多くの企業がIoTに関連する自動車のセキュリティに対して、ソフトウェアソリューションを提供していました。

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MATLAB及びSimulinkを利用した自動車の制御設計 (写真提供: Allion Labs)

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GOPELが会場で展示したBoundary Scan Systems(写真提供: Embedded World 2016)

電子ディスプレイエリアでは、60社を超える企業がLCD, OLED, PDP, LED, ePaperといった最新のディスプレイ技術を展示していました。今年度はフレキシブルディスプレイ、GUI制御、タッチパネル、3Dディスプレイ技術が注目されていました。

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(写真提供: Embedded World 2016)

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LCDモジュールを展示した三菱電機(写真提供: Embedded World 2016)

Embedded World 2016でアリオンは4種類のテーマを展示しました。『無線品質試験』、『ケーブル・コネクタ試験』、『SSDとその他ストレージデバイスの試験』そして『組込み機器の試験』です。また、Luxshare-ICT社、Bizlink社、Partner社、Fixstar社、Hagiwara社、Phision社、TSC社といったパートナー企業の製品も合わせて展示しました。これらはすべて、アリオンの厳しい試験を経て品質が確保された製品です。

アリオンでは本年度の各種企業展示から、組込み開発技術のIoT市場がいかに着目を浴びているか理解しました。今後、多くの企業は更に安定性が高く安定した製品設計を求めることでしょう。アリオンもIoTに関連する検証サービスの研究開発に力を注ぎ、組込み開発技術の発展に寄与したいと考えています。

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